ノア☆ザミ

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罪深き血-7

「紅斗…貴様、何故生きてる…」
「何故?紅蓮兄さまもおかしなこと仰りますね?」
つぎはぎが目立つ容姿に不気味なほど良き笑顔になる紅斗。
「私は執念深いですからね。とある方のお陰で蘇ったんですよ?」
「…!」
「無力な甥に殺されるなんて…あれは本当に不愉快な気分でしたよ…貴殿方親子が不仲ですれ違ったまま壊れる様が見たかったのに、本当に気分が最悪ですよ」
ピリピリした空気…私は拘束されてる上に恐怖で動くこと出来なかった
「でも仲良し親子ごっこは終わりですよお二人さん。どんなに和解し合っても、…」
濁りきった瞳で気味悪く笑う
「王家で良仲な親子はあり得ないでしょ?」


「あ…っ」
私は、忌まわしい記憶と、忘れかけてた恐怖が甦った…
忘れたかった記憶のせいで、恐怖で動けなくなる
ガキッ!!と高笑いしてる紅斗に攻撃した者がいた
「おや…紅蓮兄さま。王位たるもの、人の話を最後まで聞かないといけませんよ?」
「ぅあ”っ…!!」
弾き飛ばすように吹っ飛ばした
衝撃により、髪紐が解けて倒れたが、直ぐに起き上がる
「…信じられん…、自分の一族の者が、ここまで穢れていたたとは…、貴様は生前の行いの時点で、もう既に人間ではないことなど解っていたが…」
怒りを込めた瞳、ピリピリとした空気…
フッと鼻笑いし、口を開く
「そうですね…俺はもう人間ではない…甥のように産まれながらして人間を捨ててますし」
「違う」
「は?」
「紅一は人間だ!!人の不幸を悲しみ、人の幸せを願う…その心意気があるぶんは、まだ人間だ!!」
冷静で高潔な王陛下が大声をあげる…
「まぁいいさ…」
紅斗はすんと無表情になり、両手を広げる
「それじゃ…死んでくださいな…」
私は拘束されたままなために傍観するしかできなかった
氷の雨を降らしたり、氷柱を作り数で攻撃する王陛下、いくつもの結界を作り、破壊されれば避け続ける紅斗
「ちょこまかと…っ」
「ふっ…」
紅斗に反撃入れようと、一気に近付いた王陛下。
もう一人の刺客に気付けなかった…
「っ!?」
死に装束に近い服装の女性の攻撃を食らった
「がはっ…!」
ドシャッと吹っ飛ばされる…
「さて…」
「あ…ぁ…っ」
紅斗が私に近づいてきた…
この感覚…覚えがある…忘れるわけなかった…
(そういや…部下たちが全然見ないな…まぁいいか…俺はこの二人さえ殺せれば問題ない…)
「あぁそうそう…サキ…そいつの始末頼んだわ…」
「……」
言われ通りにとどめを刺そうとした…
「い…いや…」
私は目を恐怖心でギュッと瞑る
「…がっ…」
「……?」
いくら待っても攻撃が来ない…
恐る恐る目を開けると、
「!?」
動かなくなった紅斗…奥には氷柱が突き刺さったサキとか言われた女性…
王陛下は、私に抱き着いて、紅斗の攻撃を一心に受け取ったようだ…
血に染まる衣…地面に赤いシミが…
「紅一…よかった…」
「お…とうさん…」
私は咄嗟に「自然の囁き」で治そうとした
「…いい…」
「!」
「もう…助からん…呪いも受けた上に…肺をやられた…」
「そ、そんな…」
「紅一…そんな悲しい顔しないでくれ…たった数か月だったが、父子としてやってられたことには感謝してる…ありがとうな…」
「……」
私は涙を流す…
「…先に逝って、和泉に会ってくる…あの世で親子になろうな…」
王陛下はそのまま目を閉じ、全体重を私に預けた…
「あっ」
初めてではない筈の血の温度…
そこから記憶が無かった…

あとから駆け付けた劉たちに発見されるまでは、気を失ったままだったそう…

三日後…
私は一度は王陛下殺害の疑いをかけられた…紅斗とサキの遺体は無くなってたそうだ…
でも私はもう反論する気持ちはなかった…
二度も家族を失い、生きる気力さえも消え去った…
死刑でも幽閉でもなんでもやってくれって思った…
裏の人間に人権なんて存在しない…ましてや婚外子なんて、世間的にも良くない…
あとで聞いた話だが、ラビリンスが壊滅されてから、妖魔が広範囲で現れるようになったらしく、発現点を捜索中のこと…
どちらにせよ…もうどうでもいい…

そう思っていた時…さらに半月ほど経ったころか…
「王陛下の遺書により、君を解放する」
どうやら生き地獄はまだまだ続きそうだ…




罪深き編―完―


※作者からコメント。
やっと完結しました。罪深き血編。
正直なこと言うと、けっこう設定がガバガバねッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しょうがないよだって、当時は自分の創作見つけたくて必死だったからね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

一つネタバラシすると、今回の創作のポイント。
主人公の血縁的関係者が敵であった。
そして妖魔界との繋がり。
当時は廃国扱いだった神の土地『神霊界』の存在。
この三つが重要ポイントですね()
(血縁云々以外…全然、その要素はないねごめんなさい)