ノア☆ザミ

オリ棒創作の設定・物語を投稿する場所

ノアっ子無駄話

創一:は?
孝輔:うんそういう反応になるよな…
創一:なんでや、まだ創作じゃ登場してないのにいいのか
ノア氏:メタいわ。しゃあないじゃんなかなか進まないもん
孝輔:『もん』とか言うな19歳児が
ノア氏:酷っ!もういいもん蕎麦やけ食いしてやる!!

作者ログアウト

創一:作者、バイト先の店長に『太った?』って言われたこと根に持ってなかった?
孝輔:『運動長続き出来ないから、比較的にやるようにはする』って言ってたな…
創一:若干素直なの草

終わり!!

属性こと"源"について

我が創作では皆誰しも"源(魔力)"を持ってる。

そこで主な属性。

火・水・風・地の四大属性。
そして四大に劣らずの光と闇。
計六つの属性がある。
基本は一人二つ以上持つこと可能だが、光と闇はどれかしか持てない。
得意とする者は以下の者が多いことがある。

・火は体力的なこと得意とする者が多い。
・水は力業を得意とする者が多い。
・風は身体能力が高い者が多い。
・地は植物に愛される者が多い。

・闇と光は習得が難しいが不可能ではない。
・特に闇は習得が難しい。

あくまで"多い"だけで全員がそういう訳じゃない。
風は他の源と違い、制御を試されるのに打って付け。そのため、風から制御を習い、闇、又は光を習得する事が可能かどうかも試される。


闇は一時期は禁術扱いされてた。
理由はもちろん、『精神操作に影響される』『術士に跳ね返ってくる危険性』が主な理由。
闇習得は難しい訳でもある。
しかし最も恐ろしい理由がある。

『生け贄を捧げると闇を習得出来る』
『誰かのを奪うことで習得出来る』

最も簡単で危険な方法である。
『習得は難しいが不可能ではない』この言葉通りな為に、”習得で得たのか””命を捧げて得たのか”かが解るのは、光を習得した者、強力な『神の加護』の者のみ。

罪深き血-7

「紅斗…貴様、何故生きてる…」
「何故?紅蓮兄さまもおかしなこと仰りますね?」
つぎはぎが目立つ容姿に不気味なほど良き笑顔になる紅斗。
「私は執念深いですからね。とある方のお陰で蘇ったんですよ?」
「…!」
「無力な甥に殺されるなんて…あれは本当に不愉快な気分でしたよ…貴殿方親子が不仲ですれ違ったまま壊れる様が見たかったのに、本当に気分が最悪ですよ」
ピリピリした空気…私は拘束されてる上に恐怖で動くこと出来なかった
「でも仲良し親子ごっこは終わりですよお二人さん。どんなに和解し合っても、…」
濁りきった瞳で気味悪く笑う
「王家で良仲な親子はあり得ないでしょ?」


「あ…っ」
私は、忌まわしい記憶と、忘れかけてた恐怖が甦った…
忘れたかった記憶のせいで、恐怖で動けなくなる
ガキッ!!と高笑いしてる紅斗に攻撃した者がいた
「おや…紅蓮兄さま。王位たるもの、人の話を最後まで聞かないといけませんよ?」
「ぅあ”っ…!!」
弾き飛ばすように吹っ飛ばした
衝撃により、髪紐が解けて倒れたが、直ぐに起き上がる
「…信じられん…、自分の一族の者が、ここまで穢れていたたとは…、貴様は生前の行いの時点で、もう既に人間ではないことなど解っていたが…」
怒りを込めた瞳、ピリピリとした空気…
フッと鼻笑いし、口を開く
「そうですね…俺はもう人間ではない…甥のように産まれながらして人間を捨ててますし」
「違う」
「は?」
「紅一は人間だ!!人の不幸を悲しみ、人の幸せを願う…その心意気があるぶんは、まだ人間だ!!」
冷静で高潔な王陛下が大声をあげる…
「まぁいいさ…」
紅斗はすんと無表情になり、両手を広げる
「それじゃ…死んでくださいな…」
私は拘束されたままなために傍観するしかできなかった
氷の雨を降らしたり、氷柱を作り数で攻撃する王陛下、いくつもの結界を作り、破壊されれば避け続ける紅斗
「ちょこまかと…っ」
「ふっ…」
紅斗に反撃入れようと、一気に近付いた王陛下。
もう一人の刺客に気付けなかった…
「っ!?」
死に装束に近い服装の女性の攻撃を食らった
「がはっ…!」
ドシャッと吹っ飛ばされる…
「さて…」
「あ…ぁ…っ」
紅斗が私に近づいてきた…
この感覚…覚えがある…忘れるわけなかった…
(そういや…部下たちが全然見ないな…まぁいいか…俺はこの二人さえ殺せれば問題ない…)
「あぁそうそう…サキ…そいつの始末頼んだわ…」
「……」
言われ通りにとどめを刺そうとした…
「い…いや…」
私は目を恐怖心でギュッと瞑る
「…がっ…」
「……?」
いくら待っても攻撃が来ない…
恐る恐る目を開けると、
「!?」
動かなくなった紅斗…奥には氷柱が突き刺さったサキとか言われた女性…
王陛下は、私に抱き着いて、紅斗の攻撃を一心に受け取ったようだ…
血に染まる衣…地面に赤いシミが…
「紅一…よかった…」
「お…とうさん…」
私は咄嗟に「自然の囁き」で治そうとした
「…いい…」
「!」
「もう…助からん…呪いも受けた上に…肺をやられた…」
「そ、そんな…」
「紅一…そんな悲しい顔しないでくれ…たった数か月だったが、父子としてやってられたことには感謝してる…ありがとうな…」
「……」
私は涙を流す…
「…先に逝って、和泉に会ってくる…あの世で親子になろうな…」
王陛下はそのまま目を閉じ、全体重を私に預けた…
「あっ」
初めてではない筈の血の温度…
そこから記憶が無かった…

あとから駆け付けた劉たちに発見されるまでは、気を失ったままだったそう…

三日後…
私は一度は王陛下殺害の疑いをかけられた…紅斗とサキの遺体は無くなってたそうだ…
でも私はもう反論する気持ちはなかった…
二度も家族を失い、生きる気力さえも消え去った…
死刑でも幽閉でもなんでもやってくれって思った…
裏の人間に人権なんて存在しない…ましてや婚外子なんて、世間的にも良くない…
あとで聞いた話だが、ラビリンスが壊滅されてから、妖魔が広範囲で現れるようになったらしく、発現点を捜索中のこと…
どちらにせよ…もうどうでもいい…

そう思っていた時…さらに半月ほど経ったころか…
「王陛下の遺書により、君を解放する」
どうやら生き地獄はまだまだ続きそうだ…




罪深き編―完―


※作者からコメント。
やっと完結しました。罪深き血編。
正直なこと言うと、けっこう設定がガバガバねッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しょうがないよだって、当時は自分の創作見つけたくて必死だったからね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

一つネタバラシすると、今回の創作のポイント。
主人公の血縁的関係者が敵であった。
そして妖魔界との繋がり。
当時は廃国扱いだった神の土地『神霊界』の存在。
この三つが重要ポイントですね()
(血縁云々以外…全然、その要素はないねごめんなさい)

罪深き血-6

───夢を見た…
…誰?長い茶髪の女性…?顔は見えないけど…表情が解る…
何で泣いてるの…?なんで申し訳なさそうな顔してるの?
なに言ってる…?

「───_____、ごめんねっ…」



目を覚ましたら、見慣れない白い天井…
「……?」
あれ、私は…
「は、そうだ私、う"っ!?」
思い出した私は思わず体を起こした。
その衝動か、身体中にビキッと痛んだ…
「……そうか…私、…?」
すると、左手に温もりを感じた
そちらに目を向けると…そこにいたのは劉ではなく、
「…王陛下…。」
私の手を握りながら規則性のある寝息を立てて寝ていた…
見ると、それらしい傷痕と、ガーゼを貼っていた…
傷だらけになっても、必死に私を呼び掛けたんだと解る…
「…っ…馬鹿じゃない…私一人で思い込んで…っ、」
私は自分自身を悔いた…
どれだけ拒否られても、どれだけ嫌われても、父親として、心を開いてくれるのを待ち続けたんだと…
それなのに、私は意地になって、自分の方が子供だ…大人にならなきゃって思ってたのに、まだまだだ…
…声を押し殺して泣き続けた…

「……。」
部屋の外でただ大人しく押し殺す泣き声を聞く



私は王室直属の主治医から数日の絶対安静を言い渡された…
邪神化の最大のリスクは【魂】の穢れらしいけど、…私の場合は体力消耗と精神的な意味も含めて休めた。
劉が着替えとか、暇つぶし用の読書を持ってきてくれたお陰で比較的に休めた
そんな中、ほぼ毎日…王陛下がお見舞いに来てくれた…
「…紅一、どうだ…」
「…お、う、…えと」
「…無理して呼ぶ必要はない…ゆっくりでいいさ…」
近くに置いてあった椅子に座り、落ち着く
私は比較的に気になっていたことを聞く…
「…ところで、私…邪神化したってことは…『自然の囁き』を持ってたんだな…」
「…そうだな…それも、高度な方だ…お前の母君、…和泉が、神霊界の使者だとは思わなかったがな…」
「……そう、…」
私は不思議と驚かなかった…
異能持ちの出産率は、両親共が異能者の場合は50%ほど…片方だけの場合は25%…。
全くない場合でも5~10%の確率だ。
そもそも、母親はどこ出身かも知らない…
恐らく、王陛下も…
「…紅一…お前が嫌じゃなければ…会ってくれるか?」
王陛下は突然なこと言い出した…
「え?」
私は思わず目を見開く
「お前の、…弟妹たちと…」
言葉を選びつつ少し遠慮がちに聞く王陛下…
そりゃそうだ…私の母親は、その和泉って人だけで…王陛下の言う、私の弟妹…完全に異母弟妹に当たる。
「…まぁ、会うくらいなら…」
「!…意外だな…聞いといてだが、私の子と言うことで嫌ってるだろうと思ってた…」
「……確かに嫌っていたのは否定しません…ですが、今の状況…、会うくらいならいいかなと…それでも嫌いだったら会う必要なくなるだけですし…」
「…そうか…」
少し嬉しそうに答えた
「まぁ、その心配はないとは思うが…」
小さく言った言葉には聞き取れなかった


──同時刻。
「チッ…予想外なことが起きた…まさか、あのガキが神の子だったとは…」
長い赤毛の男がそう呟く…
「あのまま不仲にしとけば、操りやすかったのに…クソッ!」
苛立ちのあまり物に当たる…
「絶対に許せねぇ…、紅桜紅蓮とくそガキ…」
「…………」
越場はその様子を傍観する



大分体が回復してきた頃…
「コウ…口開けて」
「あ」
「うん…上気道感染症もないし…、大丈夫そうだね」
「…ねぇ…これ意味あるの?普通に主治医を呼んだ方が良くない?」
赤毛を夜会巻きした少女が声をかける
「ガキは黙って」
「劉…彼女はお姫さまなんだからさ…」
そう彼女は紅桜紅火。
王陛下の長女。
…まぁ、私の異母妹ですね…。
それも二十歳ほど離れた…
「お兄様、よくこんな意地悪なお方と一緒におりますのね…」
「はは…まぁ、一応は同僚だし…」
「同僚だからね~」
舌を出し小馬鹿にする劉
「っ~…お父さま~お母さま~!劉さまが私を馬鹿にするっ~」
涙声で告げる
私は飽きれながら、劉に問いかけた
「15も離れてれる子に対抗心燃やさないで…」
「コウは僕のだもん」
「はいはい」
…全く、私が女性と話すだけで機嫌悪くなるんだから…どんだけ女嫌いなんだか…
そういや、王陛下の奥さま方及び子供たちからの反応なんだが…
「紅一~♡」
「兄上~♡」
あ、来た
「「退院おめでとう~!♡」」
「うぐっ」
ドーンと体当たりの如くに抱き着かれた
怪しまれるか、と思ったけどそんなことなかった
あとで聞くと「あの厳格な王陛下に愛人なんて作れるわけない」とのこと。
まぁ、信頼てか…悪く思われなかった…一方的に異母弟妹を嫌ってた自分が馬鹿らしい…
「……」
あ。敵意を感じる。
…劉から…(汗)
退院出来た私は再びいつもの仕事に戻った
私の方を見てひそひそ話をする人たちを見て、私の邪神化で色々と明らかになってきたようだ…
「……例の騒動で…私の存在、…もとい婚外子の存在が明らかになりましたね…」
「そうだけど…大丈夫なんか?…取材とかそういう奴等が来るんじゃない?」
「それは心配ないかと…王陛下のことです…しっかり根回ししてるでしょう…。王陛下からの忠告を無視するほど図太い神経はしてないですし…」
それはそうと…またか…
「いらないって言ってるのに…」
「まぁまぁ良いんじゃない?」
あの騒動以来、王陛下個人の依頼が受けるようになった。
依頼内容は単純な『子供たちのお遊び相手。』
子ども相手なら、と劉と白銀と蒼も同行させた。
流石に店番がいないので、『closed』をかけてきた。
(私情で絡まないでって言ったのに、"依頼"で片付ける強引ぷりは、正しく王さまだな…)
無論、依頼だから依頼料払うとまで言ってきたが、流石に個人依頼ではな…っと断ったけど、『じゃあ今までの慰謝料とでも思ってくれ』だって…お金で解決する問題じゃないけど、まぁバイト並の給金だと思う他なかった…
…あの強引と言う名の意地は恐らく私にも似たんだな…(汗)

着くとおもいっきり疲れた様子の王陛下に会った…
そしてなんだか騒がしい…
「あ…すまない…」
「いいえ…緊急ですか?」
「いや…どうやら王宮内に不審者が出たと…」
「不審者…」
「だから!!俺は!!怪しいもんじゃねぇつってんだろ!!つか乱暴にすんな!!傷に響くっ!」
「…は?」
白銀は声の主と姿を見て唖然…
「く…クロちゃん…なにしてんの…?(汗)」
「「「「「え??」」」」」
全員同じタイミングで反応…
まぁ、白銀の知り合いと言うことで解放してもらった…
傷だらけなのでひとまず治療を受けさせ事情聴取を受ける
聞かれる立場なのに、偉そうに腕を組みふんぞり返ってる
「俺は黒鉄。捨てられた身だから親なんていねぇ…」
「偉そうにするの相変わらず…だからボク以外との付き合い疎いんだよ…」
「うるせぇ」
白銀の発言で黒鉄が舌を出して中指立てた…
…挑発の仕方が子供…絶対に王家に敵対心とか抱いてない…
恐らくここにいる人たち同じ事を思っただろう…
あっさり身柄を確保した…
「ハク…彼とはどういう知り合いで?」
「…同じ師範の元に育った…、まぁ、兄弟子。」
「なるほど…」
思わずチラッと黒鉄に目を向ける
「んだよ…」
目が合ったために威圧と威嚇を含めた口調で反応する
…170~180くらいかな…
少なくとも劉よりは低いほうだな…
「いいえ…ところで怪我は大丈夫ですか?」
「問題ねぇよ…このていdい"っ!?」
「バカじゃん…」
白銀が黒鉄の腕を掴み上に上げた
「いででででっ!!腕を上げさせんな響くっ!!」
「……相変わらず無駄なプライド…茶々丸…」
「はい?」
「無理矢理にでも医療室に連れてって」
「あ、はい」

ぎゃあぎゃあ騒ぐ黒鉄さんに一発KOさせた白銀は少し恐怖を感じた…

一時間が経過すると…
すんなり戻ってきた黒鉄…
しかし勝負事になると、
「おーいハク!!てめぇ、負けたら承知しねぇからな!!」
「負けるかよバーカ!!!」
「あ”!?バカって言うほうがバカって知らねぇのかよ!!」
「そういうとこがバカだつってんのよ!!バカ野郎!!」
双方のくだらな過ぎる痴話喧嘩に見てる人たちは呆れかえってる
私はその様子をみて、感じた…
「ねぇ、劉…」
「?」
「”幼馴染”は扱いやすいって聞いたことがあったけど、そうでもないんだなぁ…って思ってさ…」
「…?」
「ほら、幼馴染ってのはさ、お互い知り尽くしてる仲じゃん…。だからさ、目的は分からなくてもどんなことしようとしてるかは解るってやつ…」
「…それって、もし僕が裏切ろうとしたら解る的な?」
「、…ごめん。変なこと言って…」
「いや、でも…気になることはあったんでしょ…たとえば、義姉さんが残した夢とか…」
「……劉って解ってて言わないよね…。」
「聞かれなかったからね…。僕には一切湧かないなぁ…裏切る理由とか、喧嘩を起こす理由とか…結局は些細なことじゃん…」
劉は感情を含まないが正論にも近い言葉に、悩んでる私が馬鹿らしくなった…
「…私が婚外子で、第一子であることは。あの騒動で公開された…私は当分、籠の中の鳥だな…それも、王陛下が崩御されるまでは続くな…」
「信頼する上で守ってほしいならそう言えば良いし…信頼まで無くても、信用があるなら使えばいい…それだけでしょ?」
「…劉、あの店守ってね。少なくとも王陛下が崩御されるまでは…」
「…コウって時々、王陛下に対しての殺意あるよね…あ、無い方がおかしいか…」
「フフフ」
解ってるじゃないかと言わんばかりに笑う。
「…でも、私は王位は継がない…。当然だけど私は第三分家の子息を殺した前科があるし、周りの反対もあるでしょうし…。」
「……コウの意思なら僕はなにも言わないし聞かない…。どんなとこにいても僕はコウから離れる気ない…」
劉の通常運転に少し安心した…
前から解っていたことだ…劉は私なんかいなくてもやっていけること…でも生きてはいられない…
他人の気持ちなんて、言葉にしなきゃ解らない…今回の王陛下との件もそうだ…
「紅一…一緒に外へ行かないか…」
「良いですが、…仕事とかは大丈夫ですか?」
「一段落ついたし、…なにより…せっかく父子として、揃ったんだから…どうかとも思って…」
「…!」
陛下が少し照れ臭そうに話す…
意図に気付いた私は少し笑ってしまうも、后たちが言ってた『厳格に見える陛下はただの不器用』って言ってたのが分かる…
「えぇ…いいですよ。皆さん弟妹たちとも仲良くしてますし…」
白銀は持ち前の明るさで、弟妹たちと仲良くしてますし…
劉が私の方に向けると軽く「楽しんできて」とジェスチャーを送った


王家から見た景色は確かに美しかった…
自分が『裏の人間』で無ければ、純粋に賞賛に値してただろうに…

「───。」
「!?」
ガシャンと金属音と共に拘束された…
「あ~ぁ…そのまま仲違いしてくれれば殺りやすかったのにさ…計算外だわ…」
「っ…」
聞き覚えのある声に、背筋が凍るような恐怖に陥った…
「…!」
「紅斗…っ」
そこにいたのは…18年前に死んだ筈の第三分家の子息、…紅桜紅斗だった…


続く

罪深き血-5

何が起こったのか解らなかった…
コウの顔にひび割れが出てきて叫んだあと、
突然、コウに力の暴走が…いや違う、これは単純な力なんてものじゃない…
「こ、コウ…?」
『っ…迫害した者ども…今ここで殲滅してやる!!!はーはっははは!!!!』
コウの姿はまるで…黒く変化した神格…漆黒の羽の様なもの…頭部に黒い炎…黒き電撃が…
「あれは…邪神化!?」
「まさか、実在するなんて…」
「……」
じゃしんかって?
「邪神化…、それは聖なる力、『自然の囁き』を持つ者が生涯背負い持つリスクだ。力の反動、又は負の感情が蓄積し続けた者がなりやすくなる。無論、このままでは頭部にある『魂』が穢れてしまい人間に戻せなくなる」
王陛下はそう答えた
「…時間制限以内に正気に戻すことも出来るってこと?」
「……とにかく急げ!!」
コウが邪神化…しかも制限時間もある…
僕に出来ることは…、コウを正気に戻すしかないっ…!
でも、僕の力は…毒、仕込み杖…銃…コウを傷付けるモノばかりだ…
だとすると…
『私はもう、誰も許さないっ!!優しくしないっ!!許さないっゆるさない、ユルサナイ!!』
「っ…コウごめん…」
僕はコウに蹴りを入れた
コウを最低限傷付けずに戻すために、僕に出来る唯一の方法だった…
『がっ!?…なにをっ…!?』
「っ…い"!?」
足に激痛が走った…
「なに、これ…痣?」
ただの痣ではない…これは…呪詛?
自分に影がかかった
『お前もか…私を傷付けるモノは…』
痛む足を堪えつつも立ち上がる
「漆子!それ以上近付くなっ!命を落とすぞ!!」
「…だからなに?」
「は?」
 僕は冷静に答える…
 瞳の奥にある虚無と血のような赤…
「僕が漆子だから?そんなのどうでもいい…僕にとって、コウ以上の存在はない…コウは僕を作ってくれた救ってくれた…だからコウの苦しみ、痛みを全て受け止める…喩え、命を落としかねてもね…」
僕はコウに向ける…
「どうせ君らはなにも出来やしない…だったら国が滅ぶの黙ってみてたら?」
莫大な規模と圧倒的な力に立ち尽くす
すると、横に誰かが近付いた…
「…なら、私にとっても紅一は私の子だ…共戦しよう」
対の扇を手にする王陛下だ…
「…アンタは死んじゃうと困るんじゃない?」
「…そんなの周りの都合だ…"私自身"には何の影響もしない…」
「ふぅん…じゃあ、コウを戻すために一時的な協力関係だね」
「防衛は任せた」
邪神化したコウへと一直線に突っ込む
コウは異空間を操り、光線のようなモノで反撃した
「紅雪乃華・煤煙!!」
王陛下が扇を片手に氷を散らし、攻撃力を弱めた
僕はとにかくコウに近付けたが、コウの異空間攻撃が激しくなり難しい…
「っ!」
ジュッと光線が肩に当たる
呪詛の進行が早まるが、僕は再生者だから多少ながら遅れさせられる
『ナンで、なんで!!!!私を、母を、忘れたくせに!!!』
黒い涙を流し、狂い叫ぶ
王陛下は表情を少し歪めた…
すると、
『ぎゃっ!!?』
コウに別の電撃が…
「戸崎隊長!!」
「住民の避難は俺の部下が仕切る!!」
なんであいつが…僕たちのこと敵対心向けてたのに…
「おい漆子!!今は集中しろ!!!」
「っ解ってるよ…」
『あ”あ”あ”ぁあ!!!そうやって私を傷つける!!!私は悪くないのに!!』
昔からコウは感情を抑える癖があるのは気付いてた…
本当なら感情の全てをぶつけたいのだろう…
自分をこんな風にした誘拐犯に対しても、母親を見捨てた、王陛下に対しても…
「っ、紅一…」
扇を広げ、力いっぱいに振った…
「っ、氷柱の魔!!」
先の尖った無数の氷柱が発現。
だが、次は自身を囲うように黒い渦が浮き出し、攻撃を無力化。
頭部にある黒い炎のようなものが、徐々に小さくなっている…
もう時間がないっ…
「っ貴様!そんな弱者じゃなかっただろう!!」
戸崎は叫び、バチッと電撃と共に地面が割れるほどの強い電撃を放った
覚醒化した戸崎が放った電撃が一番効いたのか、自身を囲う黒い渦が消え、地に着いた
「よし、動きが弱まった!!」
すると、いきなりコウに近づいた人がいた
「王陛下!?」
王陛下は、邪神化したコウを抱きしめて叫んだ
「紅一!!本当にすまない!!本当ならもっと早くに君を見つけるべきだった!!」
『い”っ、やあ”あ”あぁあ”あ”!?!?!』
ジワッと王陛下に黒い痣が浮かび上がった
戸崎は慌てて叫ぶが、下手に触れればコウの刺激になってしまう
「王陛下!?呪詛が!!」
 「本当にすまない!!許してくれとは言わない…だから、」
王陛下は気にせずに叫び続けた
更にギュッと強く抱きしめた
「一緒に、やり直そう!!」
 その声が響いた瞬間、コウに光が灯された…?
同時に呪詛が消え去っていった…
王陛下は力を緩め、コウの顔を見た…
「その言葉…もっと早く聞きた、かった…」
力尽きたコウはそのまま気を失った。
王陛下が慌てて抱きかかえた為に頭を打たずに済んだ
「王陛下…」
「大丈夫だ…息はしてる…早く医療室に…」
「はい!」
王陛下はコウを抱きしめて呟いた
「無事で良かった…」



続く